早期退職からの脱サラ農業ガイドです ジャガイモで儲ける!

ジャガイモ農家の皆さん、収穫したジャガイモをどうやって売り切るか悩んでいませんか?

私も同じ悩みを抱えていましたが、業務用冷蔵庫を導入することで大幅に売上をアップさせることができました。

冷蔵庫を使って出荷時期をコントロールし、最高のタイミングで市場に出すことで稼げました。

この記事では、私が実践した具体的な方法とその効果について詳しくご紹介します。

ぜひ参考にして、あなたの農業経営にも役立ててください!

目次

業務用冷蔵庫は必需品です!

業務用冷蔵庫を買うことで出荷時期をコントロールして大幅に売上アップしましたよ。

1⃣春植えメークインはお盆に出荷

梅雨入り前に収穫したメークインや男爵イモで産直市場の売り場は一杯になります。競合が多いので価格は300g入りでせいぜい200円といったところですが、それでも売れ残ります。特にメークインは室内光でも毒々しい緑色に徐々に変色し、売り場に2日も置いていると売り物にはならなくなってしまいます。

ポテトチップメーカーのCMの影響で「新ジャガは美味しい」というイメージがありますが、採れたてのジャガイモは「水っぽい」から焦げにくいだけなのでポテトチップには向いますけど、糖度がまだ低くて基本的に美味しくはないんです。

私は冷蔵庫で保管して、「母ちゃんのカレーや肉じゃがが食べたい」という「お盆」の里帰りのお客さんをターゲットに販売したらすごく売れました!

2ヶ月冷蔵庫に入れることで、デンプンが糖に分解され最高に美味しい状態になりますからお薦めです。

お盆には大き目サイズ2個入りで1袋270g入りのものを300円で完売しました。この冷蔵庫には最大15コンテナを収納出来て、コンテナには約20㎏のジャガイモが収まります。産直市場へ差し引かれる販売手数料15%を考慮しても手残りですから、冷蔵庫1台が買えてしまうんです。

この冷蔵庫お陰で「夏場は1個150円のジャガイモ」、「冬場は1本140円のゴボウ」で稼ぎました。

2024年8月22日時点では「じゃがいも」の卸売価格は平年比で68%アップとなってます。ネット通販で北海道産のキタアカリを注文しても発送は10月とのことですから、お盆過ぎだと市場も品薄なのでもっと高く売れるかも知れませんね。

冷蔵庫代、電気代はかかりますが「美味しい野菜を出荷する生産者」というブランドイメージを築き、「高い単価で完売する」のために必要な投資で、1シーズンで回収可能ですよ。

なお野菜用の大型冷蔵庫があると、夏場にはスイカを丸ごと冷やすことが出来ますし、年末のクリスマスケーキや宅配のお節料理、ビール・ジュースなども楽々保存できますから、家族や友人が集まる場面でも大活躍ですよ。

ジャガイモ農家をやる以上は野菜用冷蔵庫は必需品です。早めのご決断は経営にプラスに働きますよ。

2⃣夏植えメークインはクリスマスに出荷

温暖な地域では8月末頃に植えたジャガイモを12月頃に収穫することができます。ただし夏植えのジャガイモの種芋は「デジマ」「ニシユタカ」というマイナーな品種しかなく、売りにくいですよね。

でも梅雨入り前に収穫した自家製のメークインの種芋を冷蔵庫で確保して8月末ごろに植え付ければ、12月に「新メークイン」として販売することが出来ましたよ。種芋用のメークインは腐らないよう、収穫後しっかりと日差しに当てて、間違って食べないように出荷用とは別に保管してました。

クリスマスという時節柄に集中して出荷したら、地元産の新メークインはないので、フライドポテトやカレーやシチュー用によく売れましたよ。

なお欲を出して、自家栽培した種芋を年をまたいで使い続けると孫世代から急に奇形が増えだしたので、毎年春植えのジャガイモは業者から購入するようにしました。

春植えジャガイモのエース格「キタアカリ」も同様に8月末ごろに植え付けて育ててみたところ、食味は問題ないのでお客様には喜ばれましたが、1株当たりの収量が個数・大きさともに残念な結果でしたよ。

3⃣年末出荷のゴボウは11月から収穫開始

雑煮や筑前煮など正月料理に欠かせないゴボウは11月頃から収穫できますが、これも冷蔵庫を利用して年末に大量出荷してました。

ゴボウの出荷にあたっては「ひげ根」などを処理しなくちゃいけないですが、準備期間も1か月以上あれば1日当たりの収穫・出荷準備作業量は分散出来ます。

ちなみに冷蔵庫で4℃で保存するとゴボウの栄養素イヌリンが増える!という情報を「NHKのガッテン」で発信してましたよ。

勿論自分で栄養価の測定まではしなかったのですが、食味は変わらなかったので冷蔵保存は「あり」と思いました。

ただ温度と湿度管理がメークインよりも非常に難しく、乾燥し過ぎると「フニャフニャ」になり、湿らせすぎると白カビが生えてくるので定期的な観察と換気などが必要です。

人参洗い機も必需品です!

お陰様で私の出荷するニンジンは大人気商品となり、たくさんのお客さんがそのニンジン目当てに高速道路でわざわざ1時間以上かけて産直市場に買いに来て下さるようになりました。

ニンジンの美味しさも大事ですが、見た目も大事なのは皆さんもご承知だと思います。就農した直後は1本1本手で洗ってたのですが、出荷数量が増えたのを契機に人参洗い機を導入しました。

コンテナ1つ分の人参の手洗いに2時間掛かってたのが2分で終わるのは感動しますよ。


またこの機械は優れもので人参表面の薄皮を綺麗に剝ぎ取ってくれるように洗ってくれます。

そのお陰でうちの黄色い人参が「もぎたてレモン」のような鮮やかな黄色となりました!

売り場でも一層目立つこととなりピーク時には1ヶ月でこの機械3~4台分の人参が売れました。

販売テクニック!カウントダウン商法です!

ニンジンも品種によって収穫できる期間が決まっていて、その品種は12月~2月上旬でした。

私のニンジンの出荷シーズンが終わった後に買いに来られるお客さんが結構いらっしゃって、店員さんが終了の旨を伝えられると、皆さん肩を落としてガッカリして帰られているという話を聞きました。

「それは良くない!終了の告知をキチンとしよう!」と考えて、次のシーズンから畑の在庫状況と今後の売上予測から最終出荷日を1ヶ月前からポップで告知し、「あと10日」「あと1週間」「あと3日」「本日最終日」とカウントダウンを始めたら大好評でした。

特に最終週は「今週末で食べ納めで、次回の出荷は10ヶ月後です」と告知するとお昼までに連日完売し、最終日には、うちのニンジン目当てにお店にお客さんが詰めかけて下さり生産者として大変うれしかったです。

出荷終了の事前アナウンスのつもりで始めた宣伝が、期間限定品であることをお客さんに意識付けしてもらったことで売り上げ拡大に繋がった事例でした。

たくさんの人参を出荷するためには真空播種機という機械の購入が必要です。こちらをご参照下さい。

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ポップの活用事例についてはこちらの記事にまとめてますので、どうぞご覧ください

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「開店前に出荷完了する!」という常識を疑いましょう

私が野菜を出荷していた産直市場の開店時刻は朝9時でした。開店前から大勢のお客さんが行列を作ってるような人気店だったので、「良い売り場の確保」のため、たくさんの生産者が朝6時過ぎには袋詰めした商品を店に搬入してました。

確かに売り場の両端はお客さんが手に取りやすいから、場所取りに命をかけるのも一つの手段だとは思いますが競争相手が多いですし、いつでも良い場所が取れる訳ではありません。

売り場を開店時に一杯にしておくのは他の生産者にお任せしてみませんか?

私は以下の理由で朝10時頃と午後の2度に分けて出荷してましたよ。

1⃣フレッシュな状態をお客さんに見せることが出来るから

光に当たると変色する野菜があります。代表的な例がジャガイモ、特にメークイーンです。

ジャガイモの場合、変色するだけでなく、食べると苦みを感じる「ソラニン」という毒素が発生し、食中毒の原因となります。

私の農園で収穫したジャガイモは、土から掘り起こしてから30秒以内に毛布を被せたコンテナに詰め、直射日光が当たらないようにしていました。そのコンテナごと大型冷蔵庫で保管し、袋詰めの際も室内光に極力当てないようにした結果、白っぽいベージュ色のジャガイモとなります。

しかし、朝一番で出荷すると開店までのわずかな時間でも変色してしまうのです!

私は開店後に出荷することで通常流通しない状態のメークイーンをお見せすることができ、お客さんには大変喜ばれました。もちろん味も申し分なく、リピートのお客さんも随分増え、私の出荷時間を待っていただいていたお客さんも多数いらっしゃいました。

2⃣高い値段で独占販売出来ることがあるから

皆さんの出荷する野菜が品薄の時は絶対これです!

価格を自由に付けられる産直市場では開店後に出荷してました。

その時間帯には数少ない競合品は売り切れか品薄になってますから、10時頃には私の独占状態です。

「後出しジャンケン」で、場合によっては高い値段付け放題でした!

それでも棚に並べる前に完売することだって何度もありました。

そんな時はあえて何度かに分けて売り場に搬入して、すぐに売り切れるようでしたら「ダイナミックプライシング」よろしく、後から出す品物ほど20~30円ずつ値上げしてました。

高い値段で買ってもらってお客さんから感謝されるのは、まさにWin-Winですよねっ

豊作の時にはどんな安値で売っても売れ残るのですから、稼げるときに稼ぐべきです

皆さんのビジネスが続くことが社会貢献ですから罪悪感は全く感じなくって良いと思いますよ。

3⃣最安値なら高確率で売り切ることができるから

店員さんたち曰く産直市場では「最安のものから順に売れる」そうです。

10時ごろにはその日の最安のものは既に完売か品薄になってますから、売り場に残っているその日の次点の安値品と同額で出荷して売れ残りリスクを減らしました。

もしも午後に行ったときに大量に売れ残ってたら、お店の方に一言断りを入れた上で、もう少し安い値段にラベルを貼り替えて再出荷出来ました。

但し出荷量がピークの頃には、売り場が商品で一杯のため、バックヤードで「出待ち」になり、売れ残りリスクは逆に増大します。

4⃣顧客ニーズの把握ができるから

お客さんとの何気ない会話から潜在ニーズを把握できれば新たなチャンスが生まれます。

飲食店のお客様からは個別に「間引きするような細~い規格外サイズの人参が欲しい」とか「虫食い傷があっても良いから安いものはないの?」とリクエスト頂けることもありました。

良品が売れ残る出荷者にとって「訳アリ品」が出回ることで更に良品が売れなくなって困るそうです。

申し訳ないですが良品が売り切れる出荷者にとっては、自分で消費するか廃棄するしかない「訳アリ品」がお金になるのは非常に有難いものです。

皆さんは生産者であるのと同時に、お店では「出荷者」であり「販売者」です。

お客さんからお声掛けを頂けることはまずありませんから、生産者から挨拶してください。

自分の商品を手に取って頂いたタイミングで「いつもありがとうございます、その人参の生産者です」とご挨拶差し上げたら、自然と関係を構築できる場面が増えていきます。

飲食店のお客さんは平日の昼間、混雑を避けて一週間分の食材を購入されることが多かったですね。

平日の中でも「ポイント5倍デー」などのイベントをやっていない時にじっくりと品定めして購入されるパターンが多かったです。毎日複数回出荷してたお陰で大口のお客さんたちとお知り合いになれました。

その積み重ねで大量購入頂ける飲食店のお客さんが「ファン化」すれば、差別化しずらい他の野菜でも買って頂けるチャンスが増えるんですから、お昼も休んでる場合ではなく、足繫くお店に通いました!

美味しい野菜以外に仕入れ値ゼロの商品も売ってみましょう!

産直市場で売れているもの、野菜や果物だけではないんです。

皆さんも出荷していると分かると思いますが、「切り花」や「しきみ」といったものは「お盆」に爆発的に売れますし、「タケノコ」や「つくし」は春先、出荷する野菜がない時期に売れます。

いつもの仕事に+アルファ働けば確実に稼ぎは増えますよね!

それ以外にも仕入れ値・原価ゼロのものについてこちらの記事にまとめてますのでご覧ください。

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まとめ

野菜用冷蔵庫や人参洗い機の導入は安い買い物ではありませんが、確実に出荷する野菜の鮮度や見た目が向上することで価格競争力をアップできる投資です。

尚且つ人参洗い機は作業時間を1/60に短縮してくれる上に外観品質も改善してくれますから、ある程度の規模で人参を栽培されている方には絶対的にお勧めします。

大手食品チェーン店の調達担当の責任者の方とお話する機会があったのですが、人参の取引条件の一つに人参洗い機を持っているかという点も含まれるそうです。メンテナンスの状況にもよりますが、1度買うと10年以上は使い続けられますのでこちらもお薦めです。

業務用機械の導入で商品価値を向上させるとお客さんにも自信を持って接することが出来るでしょう

そして顧客ニーズの把握の一歩目は、常にこちらからのお声掛けです。

追加コストはお店への行き帰りのガソリン代だけなので、ご賛同頂ける方は実践してみて下さい。

継続していると、何か良いことがあるかも知れませんよ。

以上が私が実践していた販売テクニックです。ご参考になれば嬉しいです

最後まで読んで頂いて有難うございました

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