さあ事前準備が終了した皆さんは、待望の新天地で自営農業生活をスタートします!
毎日を充実させるため私が就農してた時に日々取り組んでいたことと、やれば良かったと思うことをまとめました。
基本的にリスクの分散とスモールビジネスを心掛けるという点、そしてチームを作るという点が大事です。
社会人として既に身に付いている素養だと思いますが、今一度確認にお付き合いください。
でもその前に…7つの事前準備は万全かもう一度確認しましょう
↓
今後10年の営農計画の立案
住む場所も決まり、借りられる農地も決まっているのであれば、今後の営農計画を立てましょう
この項目は「事前準備編」に入れるか迷ったのですが以下の理由でこちらにまとめました
- 誰が止めても自営農業やる猪突猛進な皆さんなら、きっとプラン立案は後回し
- 皆さんには退職一時金とフルリモートワークの安定収入があるから経済的心配はないですね
- 移住後の方が詳細なプランを立てられる情報も相談できる公共機関も現地にはある
各都道府県にある普及センターでは無料で営農計画立案の相談に乗ってもらえます。
農業大学校に併設しているケースもある公的機関なので基本的な技術指導が無料で受けられますし、農家とパイプを持っている普及員は肥料や農薬散布の情報や知識も持ってます。
「営農計画書」を立案すると、年齢などの条件次第で「補助金」受給のアシストもしてもらえます。
リスク分散・低コストでの試験栽培実施
事前に「儲かる野菜」についてリサーチ済みの皆さんも、実際自分に出来るかは分からないですよね
Trial & Error‼ 地元の産直市場で聞いた儲かるという野菜、片っ端から育ててみて下さい
ただし葉物野菜で5000円/日の合格ラインを一人で超えるのは至難の業ですからお薦めしません
軟弱野菜ともいわれる「ホウレンソウ」「チンゲンサイ」などは袋詰めが大変です!
葉物野菜の専門農家は海外からの技術実習生やパートさんに手伝ってもらってます。
そしてスーパーで売ってるようなピッカピカの葉物野菜を露地で育てるのはもっと大変です。
当たり前ですけど農薬は食べ物に振りかけるのですから安全性が高い分、効果も弱いので
家庭用の殺虫剤のように、害虫に直接かけてもすぐに駆除できるわけではありません。
農薬を使うだけでは完璧に害虫駆除できたり、虫食い野菜がなくなったりすることはありません。
ハウス施設の中などで防虫体制をしっかりとって葉物野菜は育てられています。
そして栽培する「品種」ですが、良さそうなものは全種類の種を買って少しずつ蒔いて下さい
私は初年度、ニンジンだけでも20品種以上の種を2回に分けて蒔きました
そして翌年度には半分に絞り込み、最終的には2品種を大量生産することとに決定しました
大量生産にあたっては機械の導入が必要です。「時間をお金で買う」のです。
ニンジンの栽培で一番大事で大変な「種まき」についてこちらに対策をまとめてます。
皆さんの段階別に道具や機械を使い分けて無駄のない投資にして下さいね。
金融資産投資でいうところの「長期分散投資」とかに通ずるリスク分散のやり方です
暑さに強い品種、病気に強い品種、早生~晩成と種まきや収穫時期が異なる品種、色が異なる品種などなど何が皆さんの畑で丈夫に美味しく育ち、どれが実際に高く売れるのか、何シーズンかかけて絞り込んでみて下さい。
出荷作業を分担、出荷先は分散!
皆さんはフルリモートの本業があり、平日の日中は毎日業務があることでしょう
前日の夕方に収穫して翌日早朝から袋詰めして出荷して、フルリモートの仕事に取り組む
出荷時期の平日はこんなスタイルでしょう
朝早くから夕方までずっと休みなしだと大変ですよね
他の農家さんも出荷作業だけでも誰か手伝ってくれないかなって同じ悩みを持ってます
だから各自が袋詰めしたものを託して産直市場への出荷作業を任せられる仲間が欲しいですよね
そうすればお互い交替で休みが取れますよ!Win-Winですね!
出荷先で声を掛けて「土日は自分が出荷するから平日はお願い!」と頼んでみては?
同世代の出荷者ではなく高齢者の方だと快く引き受けてくれるかも知れないです。
そして皆さんが出荷する製品に貼付しているラベルやポップなどには小技が仕込んであるんです
どうやってそれを作ってるのか高齢者の出荷者は興味津々かも知れません。
出荷を手伝ってくれたお礼にポップやラベル作ってあげたりすると喜ばれるかもしれないです。
そんな小技についてまとめたこちらもご覧ください。
↓
皆さんが声を掛けてくれるのを待ってる人、きっといます!
特に新規就農者は地縁も少ないのですから、似た者同士で助け合って良いと思います。
お返しに週末は皆さんが都会の自治体主催の「マルシェ」などに出店してみたらどうですか?
それも加工食品とかハンドメイド品とか出荷してる人とも共同出荷すると面白いと思います。
品ぞろえ豊富ですとマルシェのブースも豪華に見えますし、売上の相乗効果も期待できます。
何よりも平日には経験できないお客さんとの会話が楽しめて生産者の幸せを感じられると思います
出店料金などの諸費用も3人いたら1/3ですし、仲間がそばにいるのは心強いですよ
そんな条件を提示しながらダメ元で平日の出荷作業を頼める人を見つけてみましょう!
100点満点の野菜でなくても良しとしましょう
70点の野菜でも良いじゃないか!
私が温暖化のため自営農家を廃業するにあたって師匠から言われたコメントです
常にお客さんに感動を与えられる「100点満点のニンジン」を生産して販売する
今振り返ると、この意識を変えられたら楽だったなと思います
糖度10度の黄色い人参を生産していたのですが、美味しさだけがセールスポイントではなく、
黄色の色合いが良いからと割烹料理店が出荷したもの全部買い取って頂くこともありました
正直、見かけだけで良いなら他所のと一緒?正直、不本意でムッとする気持ちはありました。
しかし温暖化により美味しい野菜作りは年々難しくなってるのは事実です
ですから過去の実績と比較するとネガティブになってしまい私は廃業してしまいました
自分がベストを尽くしているんだから良いじゃない!他の人がやるよりは美味しいんだし!
この時代、理想が高い農家の人ほど、そんな風に自分を許容する心が必要かも知れないです。
生産者グループを組織化してみませんか??
これは一番ハードルが高く、色んな生産者が挑戦しては失敗していることです。
みんな自分の思ったように野菜や果物を育てたくって独立しているので、誰かの指示に従って農業をするのは気持ち良くないです。
ただし一人農家だと出来ることも限られますが、5~6軒集まると大手飲食店チェーンなどとの取引などが見えてきます。
実際、私も離農した後に栽培した人参を日本各地のデパ地下にも展開している大手サラダメーカーにサンプル提供したところ、採用に向けて合格のお墨付きを頂きました。
しかし生産量や供給量が限られるため、話はそこでストップしたのですが、儲かる野菜を旗印に生産者グループを結成・維持できれば持続可能な農業が出来るかも、という手ごたえがありました。
野菜農家で儲かって儲かってしょうがないというところなんてゼロですから、皆さんに大手飲食業者さんから認めてもらえる生産技術が身に付いたら、皆さんから若い生産者に声を掛けてチーム結成をやってみてはいかがですか?
ただし、いつ誰がチームから抜けてもおかしくないというリスクは認識しておいてくださいね。
皆さん以上に周りのチームメンバーの財政状況は苦しいと思って適切な距離感を心掛けて下さい。
皆さんのお役に立てたら嬉しいです
最後までご覧頂き有難うございました。
コメント