街の洋菓子店の厳しい現状-不二家の販売戦略から学ぶ生き残りのヒント

街の洋菓子店の厳しい現状-不二家の販売戦略から学ぶ生き残りのヒント

近年、日本全国で洋菓子店が次々とその歴史を閉じるというニュースが後を絶ちません。帝国データバンクによると、2024年度には洋菓子店の倒産が過去最多を記録し、その数は「51件」に達しました。その背景には、原材料価格の高騰や消費者の買い控え、さらにはコンビニスイーツとの競争が存在します。

一方で、老舗の洋菓子ブランド「不二家」は積極的な戦略を展開し、この厳しい状況を乗り越えるために努力を重ねています。

今回は、街の洋菓子店が直面している問題点と、不二家の事例から学べる生存のヒントについて考えてみたいと思います。

目次

街の洋菓子店が直面する苦境

  1. 原材料価格の高騰 小麦粉や砂糖、バター、鶏卵などの価格が軒並み上昇。特にチョコレートケーキの原価はここ5年で約3割上がっています。
  2. 販売価格の転嫁が困難 顧客に値上げを受け入れてもらうのが難しく、利益を確保しにくい状況に。
  3. コンビニスイーツとの競争 安価で手軽に購入できるコンビニスイーツの台頭により、顧客の足が遠のいてしまうことが問題。

不二家の販売戦略:成功例からの学び

日本で一番有名な洋菓子屋さんの「不二家」、ここ3年の業績については次の通り順調に推移しております。

  • 2023年: 売上高は約1,055億円、経常利益は約21億円
  • 2024年: 売上高は約1,099億円、経常利益は約31億円(過去最高益)
  • 2025年予測: 売上高は約1,180億円、営業利益は約32億円

2024年には売上高が前年比で約4.2%増加、経常利益も大幅に改善して同社史上最高益を更新しています。これは、製品の集約生産や効率化の取り組みが功を奏した結果とされています

更に2024年から2025年にかけては同社の積極的な事業展開が見られています。

  1. キャラクターブランドの活用 不二家の代名詞とも言える「ペコちゃん」を中心にしたプロモーション活動。75周年記念キャンペーンや限定商品でブランドの魅力を再強化。
  2. 独自性のある商品展開 「ペコちゃんmilkyドーナツ」の専門店や、体験型ショップ「ペコちゃんの学校」など、新規顧客を引きつける斬新なアイデア。
  3. 価格戦略の調整 商品の値上げや内容量の変更(例:カントリーマアムの枚数削減)を通じて、利益確保と顧客満足度のバランスを模索。

カントリーマアムの価格戦略についてはネット上でも随分意見が飛び交ってますね。枚数が減ったことや製造工程が変わったことで食感や味にも影響が出ていることについて、一部のファンにとっては不満なようです。

しかし製品ブランドや会社の生き残りのため、人気商品の製法といった「聖域」にもメスを入れて生き残りを図る必要性があるという危機感、それこそが、ここ3年の好業績を導いたと言えるでしょう。

事実、不二家は2025年2月に54品目、値上げ率は4~31%の価格改定を実施しております。

原材料価格や製造コストの上昇、品質確保のため必要な値上げは実施した一方で、2024年秋から2025年3月には滋賀県の「フォレオ大津一里山店」や千葉県の「テラスモール松戸店」など4店舗がオープンするなど、積極的な事業展開が見られました。

洋菓子業界に逆風が吹く中での2025年成長予測はこの強気な戦略に基づくようです。


まとめ 未来を切り拓くために

地元の洋菓子店が厳しい状況を乗り越えるためには、地域の特性やニーズに合わせた独自の価値提供が不可欠です。

不二家のように、ブランドイメージを軸にしたプロモーションや、新しい顧客体験を取り入れることで、新たな市場を開拓する可能性が見えてくるのではないでしょうか。

「原材料価格の適切な転嫁を目指す値上げ」や「製法・ブランドの変更」など、顧客離れを起こさない舵取りには、知恵を絞った奮闘が必要です。

街の洋菓子店の将来が、ここ数年で決まることでしょう。

お気に入りのお店には是非応援に出掛けたいですね、きっと喜んで皆さんを迎えて頂けますよ。

パンチです

最後までご覧頂き
有難うございました
不二家のチャレンジ、皆さんはどう思いますか?
是非ご感想をお聞かせくださいね。

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