ローマ法王へ日本からお茶が献上されているとのことですが、ちょっと…

オンラインニュースで、ローマ法王にある生産地のお茶が献上されたと報じられました。

このニュースについて、私の気になった点について生産者・消費者そして経営者の立場でコメントしたいと思います。

目次

天皇陛下への献上品について

「献上品」と言えば「天皇陛下」へ差し上げるものを思い浮かべますね。

関西地方の生鮮食品で天皇陛下への献上品となっているものを調べてみましたので、以下に報告いたします。

  1. 近江牛: 滋賀県の特産品である近江牛は、その高品質な肉質で知られ、天皇陛下への献上品としても選ばれています。
  2. 丹波黒豆: 兵庫県丹波地方で生産される黒豆は、その大粒で甘みのある味わいが特徴で、天皇陛下への献上品としても評価されています。
  3. 淡路島の玉ねぎ: 兵庫県淡路島で生産される玉ねぎは、その甘みと風味が特徴で、天皇陛下への献上品としても知られています。
  4. 宇治茶: 京都の宇治茶も天皇陛下への献上品として選ばれており、その高品質と歴史的な価値から非常に評価されています。



これらの食品は、関西地方の豊かな自然環境と伝統的な生産技術によって育まれたものであり、天皇陛下への献上品としても高く評価されています。

ふるさと納税の返礼品としても人気なものばかりですね。

制度自体は知っていて節税になるとは分かっていても、実際に取り組んでいる方が少ないのは勿体ないですよ。

是非一度、いくらぐらい寄付できるか試算だけでもしてみてはいかがですか?

こちらの記事では1年分の節税額で冷凍庫が買えるというプランをお薦めしてますので宜しかったらご覧ください。

宇治茶の献上品について

宇治茶の献上品として選ばれている生産者として、京都府宇治市の「丸利吉田銘茶園(代表者 吉田利一さん)」が挙げられます。

伝統的な手法を守りながら高品質な宇治茶を生産しており、その品質が評価されて天皇陛下への献上品として選ばれています。

吉田利一さんが代表を務める丸利吉田銘茶園は、昭和22年の第1回農林水産大臣賞を皮切りに20回も受賞されている名門です。

2020年以降の農林水産大臣賞受賞者

2020年以降の全国茶品評会で農林水産大臣賞を受賞した生産者や茶園は以下の通りです。

  • 2020: 相藤園(静岡県川根本町)
    • 川根茶の生産者で、品質の高さが評価されました。
  • 2021: 吉田利一さん(京都府宇治市)
    • 宇治茶の生産者で、特に手揉み製法にこだわり、高品質な茶葉を生産しています。
  • 2022: 山東茶業組合(静岡県掛川市)
    • 深蒸し煎茶の品質と生産技術が評価されました。
  • 2023: 松尾博さん(佐賀県嬉野市)
    • 嬉野茶の生産者で、蒸し製玉緑茶の部門で受賞しました。

これらの茶園や生産者は、それぞれの地域で伝統的な製法と現代的な技術を融合させ、高品質なお茶を生産しています。


その他の献上品

天皇陛下へのお茶の献上を行っている他の産地としては、前述した静岡県の川根茶も有名ですね。

川根茶は、毎年新茶の時期に天皇陛下へ献上されています。

また静岡県内の他の茶産地でも、手揉み茶などの特別な製法で作られたお茶が献上されています。

「うれしの茶」のローマ教皇への献上について

先ほどの農林水産大臣賞を2023年に受賞した佐賀県の「うれしの茶」は2013年からローマ教皇に献上されてます。

この伝統は佐賀県嬉野市が「うれしの茶」の魅力を海外にも広めるために始めたもので、毎年続けられています。

嬉野市は江戸時代にキリシタンが多く住んでいた歴史的背景もあり、この縁を大切にしていることも一因です。

こういった国際交流は非常に好ましいですよね。

船便での献上品の輸送について

ちょっと私が気になったのは、この献上品はニュースによると「船便で送る」という点です。

それが事実だと到着まで1~3ヶ月ほど掛かりますし、航路には熱帯・亜熱帯の熱い地域もあります。

この条件下では献上品の品質が劣化することがあってても良くなることはありません。

船便を選ぶ理由に「大量輸送」が考えられますが、今回の献上品は読売オンラインの報道によると100gのお茶を3種類と茶器のセットとのことです。

この輸送のためだけに飛行機を飛ばすわけではないので環境への負荷が理由とは考えにくく、せいぜい10万円~20万円程度の輸送コストしか掛からない航空便を選ばない理由が見当たりません。

ローマ法王向けの献上品であるということは「日本代表」です。

日本代表が現地に到着した時に「ベストコンディション」ではないというのは残念な気がします。

紅茶が生まれたキッカケには諸説ありますが…

一般的に知られているのは、輸送中に高温のため発酵してしまったという話ですね。

この説によると、中国からヨーロッパへ緑茶を輸送する際に、船上での高温と湿度の影響で発酵が進み、結果的に紅茶が生まれたと言われていました。

しかし実際には17世紀に中国のウーロン茶がヨーロッパで人気者になって、その後、同じ発酵茶である紅茶が製造されるようになったという説が有力のようですよ。

結論として紅茶は偶然の産物として生まれ、その後、世界中で愛される飲み物となったということです。

まとめ

生鮮食品を扱う同業者として「小さな荷物」、しかも折角の「ローマ教皇への献上品」をあえて「船便」で送るのは「輸送費のケチり過ぎでは?」としか思えません。

生産者の立場では出来るだけフレッシュな良い状態で召し上がってもらって、心から喜んで欲しいです。

私が貰う立場だとしても、鮮度が良くないプレゼントは農林水産大臣賞を受賞したものであっても、正直気分は宜しくないです。

この船便での輸送というのが誤報であって欲しいな、と心から願ってます。

皆さんはどう思われますか?

「うれしの茶」の関係者の方がご覧になってたら船便で献上品をお送りされるに至ったお考えをお聞かせください。

パンチです

最後までご覧頂き
有難うございました

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