「上から読んでも山本山、下から読んでも山本山」というキャッチフレーズのTVCMは、1963年(昭和38年)頃から始まりました。
私が物心ついた頃から変わらずにある数少ない浅草海苔の販売会社です。
そう思っていたら、山本山は実は煎茶の製造方法を確立したことで知られる会社だそうです。
その山本山が煎茶の新製品を発売するというニュースがありました。
私の勉強を兼ねて、この有名な老舗企業と併せて紹介させて頂きます。
山本山の歴史
山本山は元々京都にありました。
創業者の山本嘉兵衛(やまもと かへえ)は、京都の宇治でお茶を作っていました。
諸説ありますが、玉露の生産方法を開発したのが山本嘉兵衛翁という話です。
1690年、山本山は永谷宗円の煎茶の品質に感銘を受け、お江戸日本橋で「茶商」として彼のお茶で商いを始めました。
永谷宗円、ピンと来た方も多いと思いますが、「お茶漬け海苔」で有名な永谷園(1952年創業)の創始者である永谷宗七のご先祖様です。
ちなみに、現在も永谷園のお茶漬け海苔の材料は山本山から供給されています。
長い歴史と信頼関係が引き合わせたんですね。
太平洋戦争終了後には海苔の製造にも進出し、現在では高品質な海苔のブランドとして広く認知されています。
山本山が京都から江戸に拠点を移した理由は、より多くの人々にお茶を届けたいという思いからです。
つまり、京都のお茶で培った技術があれば江戸で儲かるぞって思ったんですね!
経営者の勘ってやつでしょう。
この頃の日本橋は既に商業の中心地であり、多くの人々が集まる場所でした。
拠点設置により山本山はお茶の販売を拡大し、成功を収めることができました。
1690年の徳川幕府を指揮していたのは、徳川綱吉(とくがわ つなよし)です。
彼は徳川家康の孫で、江戸幕府の第5代将軍として在任していました。
徳川綱吉(1646年 – 1709年)は、江戸幕府の第5代将軍として多くの功績を残しました。
彼の治世は、特に文化と教育の振興に力を入れたことで知られています。その評価は賛否両論ですよね。
近年、「生類憐みの令」については、犬の命を大事にするのだから人の命も大事にして、尊重できないものには厳しく罰するという、今では当たり前の「仁」の考えを広めたという話も出てきました。
その当時を生きていた方たちと「ぶっちゃけトーク」して確かめてみたいですね!
では本題に戻ります。
山本山が海苔の生産を始めたのは、1947年(昭和22年)からです。意外と最近なんですね!
山本山が海苔の生産を始めた理由の一つは、お茶と海苔の管理方法や生産方法が似ているためです。
ミカン農家が同じ柑橘類の「山椒」を育て始めましたというノリですね。
海苔だけに…
大変失礼致しました。
その後1950年代から1960年代にかけての技術革新(人工採苗技術、化繊網の導入、浮流養殖法の確立など)により海苔の生産効率と品質が向上し事業が大きく成長しました。
現在では本業がお茶か海苔か分からないくらいの会社になってて、お歳暮ギフトではセット商品を売られてます。
新製品「宇治 天下一」のご紹介
山本山は2024年12月1日に新しい高級煎茶「宇治 天下一」を発売予定です。
引用元:産経新聞オンライン
このお茶は宇治伝統の製法で作られたもので特に厳選された新芽を使用し、「浅蒸し」で加工されています。
これにより透明感のある黄色の水色と深緑の香りと豊かな旨味が特徴です。
浅蒸しとは?
浅蒸しとは、茶葉を短時間(通常30秒から1分程度)蒸す製法のことです。
この方法により茶葉の形状や色が保たれ、「透明感のある美しい水色」と「爽やかな香り」が特徴のお茶が出来上がります。
浅蒸しの特徴
- 透明感のある水色: 茶葉を短時間蒸すことで、透明感のある黄色の水色が得られます。
- 爽やかな香り: 浅蒸しにより、茶葉の香りが引き立ち、爽やかな香りが楽しめます。
- 豊かな旨味: 茶葉の旨味成分がしっかりと残り、豊かな味わいが特徴です。
「宇治天下一」は、この浅蒸し製法を用いることで、上品で繊細な味わいと香りを楽しむことができる高級煎茶となっています。
ちなみに短気な江戸っ子が大好きだと言われている「深蒸し茶」は通常の蒸し時間よりも長く蒸すことで茶葉が柔らかくなります。
そのため熱湯を注いで手軽に出来上がり、濃厚な味わいと深い緑色が楽しめるという特徴があります。
購入場所
「宇治天下一」は発売開始後には、次の店舗とオンラインショップで購入可能です
- 山本山 ふじヱ茶房(東京・日本橋)
- 山本山 日本橋高島屋S.C.店
- 山本山 玉川高島屋S.C.店
- 山本山 阪急うめだ店
- 山本山 京都高島屋S.C.店
- 山本山 博多阪急店
- 山本山 公式オンラインショップ
商品概要
- 商品名: 宇治 天下一
- 原材料名: 緑茶(国産)
- 内容量: 80g
- 価格: 5,400円(税込)
- 賞味期限: 製造後12ヶ月(未開封の場合)
- 備考:数量限定の商品ですので、興味のある方はお早めにお求めください。
まとめ
会社の沿革を拝見していると山本山は拠点を京都からお江戸は日本橋に拠点を移されて以降、時代の流れに乗って邁進されて来られたチャレンジスピリットに溢れた老舗であると実感しております。
特に海苔事業を始められたキッカケが本業であるお茶の製造・管理技術と密接に関係しているという点については、M&Aなどの事業の多角化をする際に重視されるべき要件だと再確認致しました。
そこを踏まえてチャレンジされたからこそ、その後の技術革新の波に乗って「どちらが本業?」というぐらい海苔事業が成長したのだと思います。
今回発売される新製品「宇治天下一」は名前からして自らの原点である京都宇治をリスペクトして、まさに一から全国を目指した江戸時代の精神を呼び起こすというメッセージがビシバシと伝わって来ます。
是非来月には購入してみてレビューしてみたいと思います。
最後までご覧頂き有難うございました。
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