茶道を通じて内面を磨き、凛とした美しい人になるためのエッセンスが詰まったこの書籍、ポップなイラスト入りの本書を数ページ読み進め、この書籍の第一章「『人』の章」を読み終わる頃には、「自分も茶道を身につけたい」と強く思うようになりました。
こちらは竹田理絵さんによる著書で、2022年2月1日に実務教育出版から発売されました。
私は、老舗茶舗の今村芳翠園本舗やお茶の玉宗園の自己破産や閉店に関する情報を発信した後、皆さんからの予想以上の反響に驚き、お茶について初めて勉強を始めました。
その一環として大阪阪急うめだに出店されている「森半 tea square」にもお邪魔し、人生初の抹茶体験をさせてもらいました。
(追記:そして後日2度目の訪問時には茶筅と抹茶をご紹介頂き、家で抹茶を点ててみました!)
抹茶を口にした後の爽やかな気分に魅了されると同時に、日本人のDNAに沁み込んだ大切なものが分かったような、そしてそれが失われていく不安感を覚えました。
よりお茶について深く学びたいと思い、近所の図書館で借りた本の一冊が、この書籍でした。
単純な私は、次の休日には近所の茶道教室を探しに行くぞ!という衝動に駆られています。
その気持ちを少し抑えて「皆さんにこの本を紹介しなくては!」と思い、この記事を書いています。
この本は著者の竹田理絵さんが「一生モノの心の財産となる」と推されているとおり、日本の総合文化であるお茶を知る入門書として代表的な一冊になっております。
日本人として大切にしてきた考え方や、それに基づく振る舞いについて一緒に学んでみませんか?
最後までご覧くださいね!
内容のポイント
- おもてなしの心: コミュニケーション力が身につく
- ストレスを受け流す力: マインドフルネスや瞑想の習慣がつく
- 立ち居振る舞い: 美しい所作が身につく
- 和の文化: 体験しながら詳しくなれる
- 自己肯定感: 心が整い、自分軸が生まれる
- 健康・美肌: お茶の効果で健康や美肌が得られる
例えば誰でも知っている代表的なお茶の作法で、お茶を頂くときにお茶碗を回すことが挙げられますが、その理由はご存知ですか?
あのお作法は、おもてなしされる亭主さんがお茶碗をお出しされる際、お客様の正面に一番きれいな絵柄が向くようにお出しするのですが、お客様もその綺麗な絵柄に口をつけないためなんですって!
お互いを思いやる心を作法で表されている一つの例で、「一座建立(いちざこんりゅう)」という茶道の神髄を表した言葉に基づくそうです。
50年以上も生きてきた自分が今まで知らなかった大切なことが、サラサラと最初の方のページだけでもこの書籍には溢れています。
日常生活でもお茶で学んだことが体現できると、何だか素敵な空気が漂う大人になれそうですね。
この本を手に取られた方のレビューを拝見すると「茶道を通じて内面を磨きたいと考えている方にとって、非常に有益な一冊です」とコメントされておられ、全く同意いたします。
著者のご紹介
著者の竹田理絵さんについてご紹介させて頂きますと、茶道家であり、株式会社茶禅の代表取締役です。
東京神楽坂生まれの三代目江戸っ子で、祖父が掛け軸職人、母が茶道師範という伝統文化に囲まれた環境で育たれたそうです。
経歴
- 学歴: 青山学院大学文学部卒業
- 職歴: 日本IBMに勤務後、茶道を通じて日本の伝統文化を広めるために退職し、株式会社茶禅を設立。
- 資格: 茶道裏千家教授、池坊華道教授、日本紅茶協会認定講師など。
活動
竹田さんは、茶道を通じて日本の伝統文化の素晴らしさを国内外に伝える活動を行っています。
銀座と浅草に本格的な茶室を開設し、敷居を低くしながらも本格的な茶道体験を提供しています。
また、各国の首相や大使館でのお茶会、海外でのゲリラ茶会など、多岐にわたる活動を展開しています。
竹田理絵さんの活動は、茶道を通じて内面を磨き、凛とした美しい人になるためのエッセンスを提供することを目的とされてます。
株式会社茶禅(Chazen & Co.)のご紹介
株式会社茶禅(Chazen & Co.)は、竹田理絵さんが設立した会社です。
茶道を中心とした日本の伝統文化を国内外に広めることを目的としています。
会社概要
- 設立: 2014年9月24日
- 本社所在地: 東京都中央区銀座4-12-17 銀座Apolloビル5F
- 代表取締役: 竹田理絵
事業内容
- 茶道および日本文化に関する体験プロデュース事業
- 茶道スクール、セミナー講演会の企画・運営
- 茶道具、抹茶、茶室、書籍の企画・販売
活動内容
茶禅は、銀座と浅草に本格的な茶室を開設し、敷居を低くしながらも本格的な茶道体験を提供しています。
また、各国の首相や大使館でのお茶会、海外でのゲリラ茶会など、多岐にわたる活動を展開しています。
特徴
- 多言語対応: 外国人のお客様にも対応できる多言語サービスを提供
- 豊富な経験と実績: 修練した茶道家スタッフによるおもてなし
- 本格的な茶室: 「つくばい」や「にじりぐち」を備えた本格的なお茶室
茶禅は、茶道を通じて日本の伝統文化の素晴らしさを広めるために、国内外で高い評価を受けています。
特に海外の方には「和敬清寂(わけいせいじゃく)」という茶道の精神や心を表す言葉を英訳した「Harmony, respect, purity and tranquility」というシンプルなメッセージが好評とのことです。
私も外国のスタッフと一緒に現在席を並べて仕事をしておりますが、中には日本文化に魅了されて来日した方もいます。
そんな外国の方からすると「日本人なら茶道の嗜みくらい知ってて当たり前」という期待を、知らぬ間に裏切ってしまってるかも知れないですね。
【豆知識パート1】お茶のリラクゼーション効果
ここからは書籍から一旦、離れて豆知識のコーナーです。
テアニンの効果
お茶に含まれるアミノ酸の一種であるテアニンは、リラックス効果があることで知られています。
テアニンは脳内のα波の発生を促し、これによりリラックスした状態をもたらします。
また、ストレスの軽減や睡眠の質の向上にも寄与します。
カフェインの適度な刺激
お茶にはカフェインも含まれており、適度なカフェイン摂取はリフレッシュ効果をもたらします。
カフェインは疲労感を軽減し、集中力を高める効果がありますが…
特にお茶の場合はテアニンとの相乗効果で穏やかなリラックス感を得ることができます。
香りの効果
お茶の香りもリラクゼーションに寄与します。
特に緑茶や紅茶の香りは、アロマテラピーの一環としてリラックス効果を高めることが知られています。
香りを楽しむことで、心地よい気分になり、ストレスを軽減する効果があります。
茶道の静寂と集中
茶道のような伝統的な茶の儀式は、心を静める効果があります。
茶道の過程での静寂と集中は、日常の喧騒から離れ、心を落ち着かせる時間を提供します。
お茶を楽しむことで、心身ともにリラックスできることが、科学的に裏付けられてるんですね。
豆知識パート2 抹茶と粉茶の違い!
回転すしに行って置いてあるお茶、あれを抹茶だと思ってませんか?
あれは抹茶とは煎茶をつくる時にできる「粉茶」と言うものだそうです。
抹茶や煎茶の違いについて少し勉強してみましたので次の通り回答します!
煎茶の新茶の季節
煎茶の新茶の季節は、一般的に4月下旬から5月下旬頃です。
特に、立春から88日目にあたる「八十八夜」(5月上旬頃)に摘まれた新茶は、上等なものとされています。
新茶の季節には、若々しい香りと豊かな味わいを楽しむことができます。
「夏も近づく八十八夜~♪」という歌詞で始まる唱歌『茶摘み』は、お茶の収穫時期を待ち焦がれる歌です。
この歌は、1912年(明治45年)に発表されたもので、八十八夜に茶摘みを行う風景を描いています。
八十八夜は、立春から数えて88日目にあたる日で、毎年5月2日頃にあたります。
この時期は、霜が降りることがなくなり、茶摘みや農作業が本格的に始まる時期とされています。
歌詞の中でも、茶摘み娘たちが楽しそうに茶を摘む様子が描かれており、春から夏への移り変わりを感じさせる歌です。
この歌を通じて、日本の茶摘みの風景や季節の移り変わりを感じることができますね。
抹茶の新茶の季節
一方で抹茶の新茶の季節は、一般的に11月頃です。
抹茶の原料となる茶葉は、緑茶の新茶と同じ時期に摘み取られますが、蒸して揉まずに乾燥させた「碾茶(てんちゃ)」として約半年間熟成させるのが一般的です。
抹茶
- 原料: 抹茶は「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれる茶葉を使用します。これらの茶葉は、日光を遮って育てられ、蒸して乾燥させた後、石臼で細かく挽かれます。
- 製法: 抹茶は茶道で使われることが多く、茶せんを使ってお湯で点てて飲みます。
- 味わい: 抹茶は旨味が強く、香り高いのが特徴です。
- 栄養価: 茶葉を丸ごと粉末にして飲むため、カテキンやビタミン、ミネラルが豊富です。
粉茶
- 原料: 粉茶は煎茶の製造過程で出る細かな茶葉を使用します。
- 製法: 煎茶を揉んで乾燥させた後、細かく砕いて粉状にします。回転寿司で出てくる粉茶は、これをお湯に溶かして飲むことが一般的です。
- 味わい: 粉茶は抹茶に比べて渋みが強く、栄養価も高いです。
- 栄養価: 煎茶を粉末にしたもので、茶葉を丸ごと摂取するため、カテキンやビタミンCが豊富です。
煎茶
- 原料: 煎茶は若い茶葉を使用し、日光を遮らずに自然のままで育てられます。
- 製法: 収穫された茶葉は蒸され、揉んで乾燥させます。この過程で茶葉の酸化を防ぎ、鮮やかな緑色と風味を保ちます。
- 味わい: 煎茶は爽やかな香りと豊かな味わいが特徴で、渋みと甘みのバランスが良いです。
- 栄養価: 日光を浴びて育てられるため、カテキンやビタミンCが豊富ですが、茶殻に多くの栄養素が残ります。
まとめ
- 抹茶: 茶葉を丸ごと摂取するため、栄養価が高いです。
- 粉茶: 煎茶を粉末にしたもので、栄養価が高いです。
- 煎茶: 栄養価が高いですが、茶殻に残る栄養素が多いため、実際に摂取できる栄養素は抹茶や粉茶に比べて少なくなります。
このように、抹茶と粉茶は茶葉を丸ごと摂取できるため、栄養価が高いと言えます。煎茶も栄養価が高いですが、茶殻に残る栄養素が多いため、実際に摂取できる栄養素は抹茶や粉茶に比べて少なくなります。
以上、お茶の豆知識のコーナーでした!
まとめ
明日が休みなら朝までこの書籍を読み込んで、そのまま茶道教室体験に伺いたい気持ちで一杯です。
この書籍でも紹介されてますが、社会人としての嗜みを身につけられるため、著者である竹田先生の教室を訪ねて来られる大学生の方もいらっしゃると聞いて、立派な若者がこの国にはまだまだいるんだなぁという安心した気持ちになりました。
また外国人の方だけではなく日本人の方も「日本の総合文化である茶道」を体験することを通じて様々な日本の文化を再発見することが多いそうです。
例えば「華道を習ってみたい」とか「お茶碗を自分で作ってみたい」とか「日本各地のお茶に関係する先に旅行に行ってみたい」という今までになかった衝動に駆られるようです。
このように皆さんの今後の人生をより豊かにするであろう「茶道」について知るために、是非この書籍を手に取ってみて頂きたいです。
普通の書籍と電子書籍の両方で出版されていますので、お好みのものをチョイスくださいね。
最後までご覧頂き有難うございました。
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