高まる国際的評価 「日本ワイン」の魅力と課題とは?

日本国内では将来のワイナリー進出を視野にブドウ園を開園する企業・団体・個人が増えてます。

2012年に263軒であったワイナリーが2021年には413軒となってます。

これは世界の中で『日本ワイン』の評価が高まっていることが背景としてあり、多くの先人の挑戦の賜物です。

一方で気候変動の大波は、世界の歴史あるワイン産地にも例外なく影響が出ております。

産地によっては作付けするブドウの品種やブドウ園の場所を寒冷地に移す検討もされています。

どうぞご一読を頂けると大変うれしく思います。

目次

国産ワインと『日本ワイン』の違いとは

世界で評価が高まっているのは日本ウイスキーだけではありません。

従来「水っぽい」と評されていた「日本ワイン」も近年では世界のワインコンクールで高い評価を受けています。

ところで国産ワインと「日本ワイン」の違いについてご存知ですか?

「日本ワイン」の魅力を語る前に少しだけ私の勉強にお付き合い下さい。

国産ワインとは

海外から輸入されたブドウや濃縮果汁を使用し、日本国内で醸造されたワインを指します。

原料が海外から輸入されるため、価格が比較的リーズナブルであることが多いです。

また、国内での醸造技術を活かして多様な味わいを楽しむことができます。

『日本ワイン』

日本国内で栽培されたブドウを100%使用し、日本国内で醸造されたワインを指します。

日本の気候や土壌に適した品種が使用されるため、独自の味わいと香りを持っています。

特に、和食との相性が良いとされています。

また、品質の高さが国際的にも評価されています。

主要品種

  • 甲州: グレープフルーツやレモンなどの柑橘系の爽やかな香りと穏やかな酸味が特徴。
  • マスカット・ベーリーA: チェリーやベリー系果実の香りと果実味あふれる味わいが特徴。

都道府県別の国産ワインの生産地

1. 山梨県(6,973トン ワイン用ブドウの生産量)

特徴: 山梨県は日本ワインの発祥地であり、国内最大のワイン生産地です。甲州ブドウから造られる甲州ワインは、和柑橘系の香りと穏やかな酸味が特徴で、和食との相性が抜群です.

主な栽培品種:

  • 白ワイン用: 甲州
  • 赤ワイン用: マスカット・ベーリーA

ワイナリー: 山梨県には約90のワイナリーがあり、老舗から新しいドメーヌまで多様なワイナリーが存在します.


2. 長野県(5,656トン)

特徴: 長野県は日照時間が長く、昼夜の温度差が大きいことから、色づきが良く、糖度と酸味のバランスが取れたブドウが育ちます。ワインの品質も高く評価されています.

主な栽培品種:

  • 白ワイン用: シャルドネ、ナイアガラ
  • 赤ワイン用: メルロー、コンコード

ワイナリー: 長野県には多くのワイナリーがあり、信州ワインバレーとして知られる地域に集中しています.


3. 北海道(3,124トン)

特徴: 北海道は冷涼な気候が特徴で、特に白ワインの生産が盛んです。近年は温暖化の影響で赤ワインの生産も増えています。北海道のワインはしっかりとした酸味と豊かなアロマ、凛とした透明感が特徴です.

主な栽培品種:

  • 白ワイン用: ケルナー、ポートランド、バッカス
  • 赤ワイン用: ツヴァイゲルト、ロンド、山幸、ピノ・ノワール

ワイナリー: 北海道には多くのワイナリーがあり、特に余市や空知地方が有名です.


4. 山形県(2,688トン)

特徴: 山形県は果樹栽培が盛んで、特にデラウェアとシャルドネの生産量が全国1位です。山形のワインはフルーティーで豊かな味わいが特徴です.

主な栽培品種:

  • 白ワイン用: デラウェア、ナイアガラ、シャルドネ
  • 赤ワイン用: マスカット・ベーリーA、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー

ワイナリー: 山形県には10以上のワイナリーがあり、上山市、高畠町、朝日町が主要な産地です.


5. 岩手県(706トン)

特徴: 岩手県は冷涼な気候が特徴で、ミネラル感とクリアな酸味が特徴のワインが生産されています。特にリースリング・リオンの生産量が日本一です.

主な栽培品種:

  • 白ワイン用: リースリング・リオン、ナイアガラ
  • 赤ワイン用: ヤマブドウ、メルロー、ツヴァイゲルト

ワイナリー: 岩手県にはエーデルワインやくずまきワインなど、5つの主要なワイナリーがあります.



これらの道県はそれぞれ独自の気候や土壌を活かして、高品質なワインを生産しています。

どの地域のワインも個性豊かで魅力的ですので、ぜひ試してみてください

世界的なワインコンクールのご紹介

ワイン好きの皆さんならご存知の通り、伝統と歴史に裏打ちされたヨーロッパでは数多くのワインコンクールが毎年開催されており、近年、日本のワイナリーも受賞されております。

インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)

  • 概要: 1984年にロンドンで設立され、毎年4月に開催される世界最大規模のワインコンクール。
  • 審査方法: 40か国以上から集まった500名を超えるソムリエやバイヤー、インフルエンサーがブラインド・テイスティング方式で公平に評価。
  • 評価: IWCでの受賞は、ワインの品質が国際的に認められる重要な指標。

パリ農業コンクール(Concours General Agricole Paris)

  • 概要: フランスで開催される歴史あるワインコンクール。1870年に現在の名称で開催されるようになりましたが、その前身は1843年に始まった「コンクール・ド・ポワシー」です。
  • 審査方法: フランス国内外のワインが専門家による厳正な審査を受ける。
  • 評価: パリ農業コンクールでの受賞は、特にフランス国内での評価が高く、ワインの品質が認められる重要な指標。

デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)

  • 概要: 世界最大級のワインコンペティションで、厳正な審査が行われる。2004年にイギリスのワイン専門誌『デキャンター』によって創設されました。
  • 審査方法: 世界中のワイン専門家がブラインド・テイスティングで評価。
  • 評価: DWWAでの受賞は、ワインの品質が国際的に認められる重要な指標。

登美の丘ワイナリー」の魅力とサントリーの哲学

ロケーション・施設

登美の丘ワイナリーは、富士山と甲府盆地を一望できる絶景の地に位置しています。この美しい景観は、訪れる人々に感動を与え、ワインの試飲体験をより特別なものにしてくれます。

約150ヘクタールに及ぶ広大な自家ぶどう畑を持ち、ぶどうの栽培から醸造、瓶詰めまで一貫して行っています。これにより、ワインの品質を高く保つことができます。

受賞歴

「SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2022」が2024年のデキャンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)で最高賞を受賞。これは日本ワインとして初の受賞です。


同じくDWWAの2023年において 「登美の丘 甲州 2021」がプラチナ賞を受賞。


インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)の2024年において 「登美 甲州 2022」が金賞を受賞。

リュブリアーナ国際ワインコンクール(スロベニア)の2000年において「登美 赤 1996」が日本初の「チャンピオン」を受賞。

レ・シタデル・デュ・ヴァン(フランス・ボルドー)の2003年において「登美 赤 1997」が日本初の「金賞」を受賞。

サントリーのワイン作りの哲学

サントリーは、登美の丘ワイナリーに対して深い情熱を持っています。良いワインは良いぶどうからという信念のもと、ぶどうの栽培からワインの醸造まで、細部にわたるこだわりを持っています。

また自然環境を守りながら、持続可能なワイン作りを目指しています。

テロワールの尊重:

「テロワール」という言葉は、ワインの味わいや特徴に影響を与える地理的・気候的・土壌的な要素を指します。

  • 地理的要素: ワイナリーの位置や標高がワインの味に影響を与えます。
  • 気候的要素: 日照時間や降水量、風の強さなどがブドウの成長に影響します。
  • 土壌的要素: 土壌の種類や栄養分がブドウの風味を決定します。
  1. 50区画に分かれた畑で、それぞれの区画に最適な品種を植え、各品種の個性を最大限に引き出してます。
  2. 品種ごとの最適な環境:
    • 甲州ワインは特に水はけの良い区画に植えられ、完熟したぶどうだけを収穫します。
  3. 自然の力を活かす:
    • 甲州はメインが棚仕立て、もう1区画は垣根仕立てで栽培されてますが、棚とは違う甲州の味が出て来るそうです。
    • 「水っぽい」と評される甲州ワインの弱点を改善するために、垣根仕立てでぶどうに多くの日光を当て、エネルギッシュで旨味の濃いワインとなります。
  4. 多層的な味わいの追求:
    • 異なる区画のぶどうをブレンドし、多層的で複雑な味わいのワインを作り上げる。
  5. 人の手による丁寧な作業:
    • 昨今、機械導入がされる中でも、人の細やかな作業と経験が品質向上に寄与しています。

行政やIoT各社が注力しているスマート農法とは一線を画し、あくまでも自然に寄り添い、人の感覚を大事にするスタンス、そしてそこから新たなものを産み出そうとする人々の情熱を垣間見ることが出来ますね。

日本ワインの国際的な評価

登美の丘ワイナリーに限らず日本には多くの素晴らしいワインを産み出す生産者が各地にいます。

  • IWC 2023: シャトー・メルシャンの「笛吹甲州グリ・ド・グリ2019(白ワイン)」が金賞受賞。
  • DWWA 2023: 北海道ワインの「北島ヴィンヤード ノーブルロット ケルナー2019(白ワイン)」などがプラチナ・金賞受賞。
  • サクラアワード2023: シャトー・メルシャンの「甲州グリ・ド・グリ2019(白ワイン)」などがダブルゴールド受賞。
  • フェミナリーズ世界ワインコンクール2023: サントリーの「塩尻マスカット・ベーリーA2019(赤ワイン)」などが金賞受賞。
  • IWSC 2023: マンズワインの「ソラリス ラ・クロワ2019(赤ワイン)」が金賞受賞。
  • ワールド・ベスト・ヴィンヤード2023: シャトー・メルシャンの椀子ワイナリーが世界第38位にランクインし、アジアNo.1に選ばれる。

気候変動がワイン用ブドウの産地に与える影響

霜害や大雨:

  • フランスやスペインなどの欧州の主要なワイン生産国では、霜害や大雨、異例な低温などの気候変動がブドウの生育に影響しております。
  • フランス全土のワイン産地でウドンコ病の深刻な被害に見舞われ2024年シーズンの収穫量が前年比で18%減少するとの見通しを発表しました。
  • 一般的にワイン用のブドウが収穫できるまでには、通常、苗の植付から約3年から4年が必要です。
  • またワイナリーによっては、さらに高品質なワインを作るために、10年以上経ったブドウの木から収穫したブドウを使用することもありますから、被害が出た地域では生産量が長年にわたり減少する見通しです。

温暖化の影響

  • スペイン、イタリア、ギリシャ、南カリフォルニアの沿岸地域と低地地域にある伝統的なワイン産地の約90%が、気候変動に伴う過度の干ばつと頻発する熱波により今世紀末までに消滅する恐れがあります。

産地の移動

  • 冷涼な地域への移動: ブドウ産地は徐々に冷涼な地域へ移動しています。
  • 新たなワイン産地の誕生: 気温上昇に伴い、新たなワイン産地が生まれる可能性があります。例えば、イギリスや北欧などの冷涼な地域が新たなワイン産地として注目されています。

品種の変更

  • 耐熱性品種の導入: フランスのボルドー地方では、トウリガ・ナシオナルやマルセランなどの耐暑性の高い赤ワイン用の黒系ブドウ品種が導入されています。
  • 品種の多様化: 気候変動に対応するため、ワイン生産者は多様な品種を試験的に栽培しています。

なおフランスのボルドー地方の月次気温推移と近しい日本の都市は「東京」とのことです。

東京と同等かそれ以上に暑い気候区では耐暑性があるブドウ品種の作付けの検討が推奨されるかも知れないですね。


生食用ブドウとワイン用ブドウの栽培方法の違い

生食用ブドウの栽培方法

  • 棚仕立て: 頭上に金網を渡した屋根のようなスタイルで栽培する。
  • 理由
    • 通風の確保: 棚仕立てにすることで、ブドウの房や葉の間に風が通りやすくなり、湿気がこもりにくくなります。これにより、カビや病気の発生を抑えることができます。
    • 日光の確保: ブドウの房や葉が均等に日光を浴びることができ、健全な成長を促進します。
    • 雨水の防止: 雨が直接ブドウの房に当たらないようにすることで、病気の原因となる菌の繁殖を防ぎます。
    • 害虫対策: 棚仕立てにすることで、地面からの害虫の侵入を防ぎやすくなります。
    • 土づくり:生食用ブドウは、肥沃な土壌を好みます。豊富な養分を含んだ土壌が適しており、果実が大きく、みずみずしいブドウが育ちやすくなります。

ワイン用ブドウの栽培方法

  • 垣根仕立て: ブドウの樹を垣根のように整える。
  • 理由:果房に日光が当たりやすくして酸味、甘みを強くするため。但し、「甲州」のような棚仕立てが推奨される品種もあり、ワイナリーによって栽培方法は異なります。
  • 土づくり:やや貧しい土壌でも生育が可能です。水はけが良い土壌が重要で、肥料が少ない環境でも育ちます。これは、過剰な養分が果実ではなく枝葉に集まりやすくなるためです。

摘粒の必要性

  • 摘粒を行うことで、品質向上、病害予防、均一な成熟が期待できる。

白ワイン品種のブドウに適した土地・気候

白ワイン用のブドウは、一般的に冷涼な気候を好みます。以下の条件が適しています:

  • 日照時間: 生育期間中に1300~1500時間以上の十分な日照が必要です。温度: 年平均気温が10~16℃の温暖な気候が理想的です。
  • 寒暖差: 昼夜の寒暖差が大きいと、ブドウの糖度が高くなり、風味が豊かになります。
  • 代表的な産地としては、フランスのシャブリ地方やドイツのモーゼル地方が挙げられます。これらの地域は冷涼な気候で、シャルドネやリースリングといった白ワイン用の品種が栽培されています。

赤ワイン品種のブドウに適した土地・気候

赤ワイン用のブドウは、一般的に「黒系ブドウ」と呼ばれ温暖な気候を好みます。

黒系ブドウとは? 

黒系ブドウとは、皮の色が濃い紫黒色のブドウのことを指し、以下のような特徴があります。

  • 日照時間: 十分な日照が必要で、特に成長期に多くの日照を得ることが重要です。
  • 温度: 年平均気温が15~20℃の温暖な気候が理想的です。
  • 降水量: 適度な降水量が必要ですが、過剰な湿気は病害の原因となるため、排水性の良い土壌が求められます。
  • 代表的な産地としては、フランスのボルドー地方やイタリアのトスカーナ地方が挙げられます。これらの地域は温暖な気候で、カベルネ・ソーヴィニヨンやサンジョヴェーゼといった赤ワイン用の品種が栽培されています。
  • 「日本ワイン」用の黒系ブドウの代表的な品種としては巨峰、ピオーネ、ナガノパープルなどがあります。

気候変動や病害の影響 

黒系ブドウは特に高温や病害に敏感です。以下のような影響が報告されています

  1. 着色不良:高温が続くと、ブドウの果皮が十分に着色しないことがあります。これにより、商品価値が低下しますので、以下のような対策を取ります。
    •  アブシシン酸(アブサップ液剤・住友化学)
      • 効果:アブシシン酸は、ブドウ本来の力を引き出し、色素成分「アントシアニン」の生成を高めます。
      • 使用方法:適切な濃度で噴霧することで、着色不良を改善する効果が期待されます。
    • 光反射シートの使用
      • 効果:光反射シートを地面に敷くことで、太陽の反射光を利用してブドウの着色を促進します。
      • 使用方法:シートを適切に配置し、光を効果的に反射させることで、着色不良を防ぎます。
    • 環状剥皮処理
      • 効果:環状剥皮処理により、葉で作られた光合成産物が地下部へ移動することを抑制し、果皮の着色を促進します。
      • 使用方法:枝や主幹の樹皮を5mm程度環状に剥ぎ取ることで、着色を促進します。
  2. 病害の増加:温暖化により、病害が多発することがあります。特に、湿度が高い環境ではカビや菌の繁殖が進みやすくなります。
    • ベト病
      • 原因:カビ
      • 症状:ブドウの葉に白い斑点が現れ、進行すると落葉します。
      • 発生条件:湿度が高い環境で発生しやすい。
      • 予防方法:ボルドー駅やダコニール1000などの予防効果の高い薬剤を展葉5~6枚期からおよそ10日間隔で予防散布を行う
      • 治療方法:感染した葉や果実を早期に取り除き、リドミルやアミスター20フロアブルなどの治療効果のある薬剤を使用する
    • うどんこ病
      • 原因:カビ
      • 症状:ブドウの葉や茎、果実に白い粉のようなカビが生える。果実が分裂したり早期に落ちることがあります。
      • 発生条件:湿度が高い環境で発生しやすい。
      • 予防方法:窒素肥料を控えめにし、ピュアベニカなどの予防効果のある薬剤を使用する
      • 治療方法:カリグリーンやベニカナチュラルスプレーを使用する
    • 灰色カビ病
      • 原因:ボトリティスシネレア菌
      • 症状:果実や葉、花が灰褐色のカビに覆われる。
      • 発生条件:湿度が高い環境で発生しやすい。
      • 予防方法:ボルドー駅やダコニール1000などの予防効果の高い薬剤を展葉5~6枚期からおよそ10日間隔で予防散布を行う
      • 治療方法:感染した葉や果実を早期に取り除き、リドミルやアミスター20フロアブルなどの治療効果のある薬剤を使用する
    • 黒とう病
      • 原因:カビ
      • 症状:黒褐色の斑点が葉や果実に現れ、進行すると落葉や果実の落下を引き起こす。
      • 発生条件:湿度と雨が発生のカギを握る。
      • 予防方法:トップジンMペーストやデランフロアブルなどを使用する
      • 治療方法:オンリーワンフロアブルやアミスター10フロアブルなどの治療剤を使用する
  3. 品質の低下:高温や病害の影響で、ブドウの糖度や酸味が変わり、品質が低下することがあります。

対策 これらの影響を軽減するためには、以下のような適応策が検討されています:

  • 高温に強い新品種の導入
  • 施設・雨よけ栽培の導入

引用:JAPAN WINERIES ASSOCIATION


サッポロビールの取り組みについて

「グランポレール」はサッポロビールが手掛ける日本ワインの旗艦ブランドです。

以下にその特徴や背景について詳しくご紹介します。

グランポレールの特徴

国産ぶどう100%使用: グランポレールは、日本国内の4つの主要産地(北海道、長野、山梨、岡山)で栽培されたぶどうを使用しています。

高品質なワイン: 国内外のワインコンクールで多数の賞を受賞しており、その品質は高く評価されています。

多様な品種: 各産地の気候や土壌に適した品種を栽培しており、白ワイン用のケルナーやシャルドネ、赤ワイン用のカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどが含まれます。

歴史と背景

創立背景: サッポロビールは1976年に勝沼ワイナリーを設立し、1984年には岡山ワイナリーを設立しました。2003年にグランポレールをフラッグシップワインとして発売しました。

産地の特徴: 北海道の余市、長野の古里ぶどう園、山梨の甲州、岡山のマスカット・オブ・アレキサンドリアなど、各地の特性を活かしたぶどう栽培が行われています。


受賞歴

グランポレールは国内外のワインコンクールで輝かしい成績を収めており、その品質と味わいが広く認められています。

インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(イギリス)

2024年:

  • 金賞: グランポレール 安曇野池田シラー 2018
  • 銀賞: グランポレール 余市ピノ・ノワール ブラン・ド・ノワール<トラディショナル・メソッド> 2020
  • 銀賞: グランポレール 安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン 2023
  • 銅賞: グランポレール 北斗シャルドネ<初収穫> 2022
  • 銅賞: グランポレール 余市ピノ・ノワール 2021
  • 銅賞: グランポレール 余市ケルナー<遅摘み> 2021

デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(イギリス)

2024年:

  • 銀賞: グランポレール 余市ケルナー 2022
  • 銀賞: グランポレール 安曇野池田シラー 2018
  • 銅賞: グランポレール 余市ツヴァイゲルトレーベ 2022
  • 銅賞: グランポレール 安曇野池田カベルネ・ソーヴィニヨン 2019


最新情報

グランポレールは毎年売上を伸ばしており、2024年も好調な販売が続いています。また、限定品の投入などでブランドのファンを増やす取り組みも行われています。

詳しい情報は、サッポロビールの公式サイトでも確認できますので、ぜひご覧ください。

ワイン用ブドウの苗の調達について

欲しい品種や数量によって発注先の選択肢が色々とあるようですね


1. 専門の苗木業者から購入

多くのワイナリーや農家は、専門の苗木業者から苗を購入します。これらの業者は、品質の高い苗木を提供し、特定の品種や栽培条件に合わせたアドバイスも行っています。

2. オンラインショップ

インターネットを利用して、苗木をオンラインで購入することも一般的です。多くのサイトでは、さまざまな品種の苗木を取り扱っており、簡単に注文できます。

3. 地元の農業協同組合(JA)

地元の農業協同組合(JA)でも、苗木の販売を行っていることがあります。地域に適した品種や栽培方法についての情報も得られるため、初心者には特におすすめです。

4. ワイナリーの母樹園

一部のワイナリーでは、自社の母樹園で育てた苗木を販売しています。これにより、特定のワイン用ブドウ品種を確保することができます。


これらの方法を組み合わせて、自分に最適な苗木を見つけることができます。


日本のワイン産地の背景

日本の主要ワイン産地である北海道、長野、山梨では、赤ワイン用と白ワイン用のブドウの両方が栽培されています。これは、フランスやドイツのように気候によって産地が明確に分かれている状況とは異なります。この背景にはいくつかの要因があります。

多様な気候条件

日本は南北に長い地形を持ち、地域ごとに多様な気候条件があります。例えば、北海道は冷涼な気候で、ドイツのような冷涼地向けの品種が栽培されています。一方、長野や山梨は温暖な気候で、フランスのボルドー地方のような温暖地向けの品種が栽培されています。


適地適作の考え方

日本のワイン産地では、「適地適作」という考え方が重視されています。これは、その土地の気候条件に最も適したブドウ品種を選び、栽培するというものです。例えば、北海道では冷涼な気候に適したリースリングやピノ・ノワールが栽培され、長野ではメルローやシャルドネが栽培されています。

技術の進歩

日本のワイン産地では、栽培技術や醸造技術の進歩により、多様な品種のブドウを栽培し、品質の高いワインを生産することが可能になっています。これにより、同じ地域で赤ワイン用と白ワイン用のブドウを栽培することができるようになっています。

市場の需要

日本国内外の市場の需要に応じて、多様な品種のワインを生産することが求められています。これにより、各産地で赤ワイン用と白ワイン用の両方のブドウが栽培されるようになっています。


まとめ

世界で評価が高まる「日本ワイン」の現在、そして将来に大変興味深いですね。

ワインがものになるにはブドウを収穫するまでに3~5年、より良いブドウを収穫するには10年後、それから更に醸造に数年かかることを考えると今後の気候変動を先取りした産地・品種の選定が必要となってきます。

温暖化を見据えると、現状白ワインを中心に世界的評価が高まっている「日本ワイン」ですが、北海道以外の地区では冷涼地への農地移動や耐暑性が強い赤ワイン品種へのシフトを強いられるかも知れませんね。

今後とも世界の動きに注目です。

最後までご覧頂き有難うございました。

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